メタセコイヤその2

835E83C83g838B.png

(1)メタセコイアについて

メタセコイアは、今から数千万年前に日本列島の至るところに繁茂していたが、その後、地球上からその姿を消してしまったと考えられていた化石上の植物である。ところが、1945年、中国の四川省の磨刀渓でその原生種が中国の学者によって発見された。

しかし、時あたかも大戦中であったので、その報告は日本に知らされず、アメリカに渡り、そこで多くの苗木が育成された。戦後、アメリカのチェネー博士(CHANEY R.W.)から、メタセコイアの研究家であり、かつ、その名付け親でもある大阪市立大学教授三木茂博士のもとへ、苗木が送られてきた。

その第―号は、吹上御殿に植えられて、現在では、かなりの巨木に育っている。その後、日本国内においても、メタセコイア保存会が設置され、多くの苗木が日本国中に配布されるようになった。

メタセコイアは、スギ科の植物で、その和名を“アケボノスギ”といい、アメリカ合衆国のカリフォルニア州に見られる、世界的な巨木として有名な“セコイア”に近い属である。……以下略


(2)メタセコイアと本校の教育目標

メタセコイアに与えられた賛辞として、“その生命力は雑草のごとくおう盛であり、その心は天使のごとく清らかである”という西洋のことわざが引用されている。私たちは、

○この「メタセコイア」が、数千万年の長くきびしい自然の試練に耐えて、たくましく生長してきたおう盛な生命力と、そのすばらしい成長力とにあこがれ、さらに、

○この木の原生種の発見に至る経緯に見られる、あくなき真理探究の精神と、国境を越えた学者の協力とをたたえ、かつ、

○この「アケボノスギ」が、日本の新しい資源として嘱望されていることを考え、そして、

○本校付近から採集されるその化石に、かって、その巨木が影を落としていた数千万年の昔をしのび、このメタセコイアを、わが秋川高校の教育目標の象徴として、校樹と定め、その葉を校章にとり入れたのである。

《全寮制秋川高校の発足》より・・・この項おわり